しかし、移動している粒子を測定した場合には原理で述べたように、強度が変化します(図5)。
CMOSでは蓄積時間内で電荷が積分されるので、実際には図のように出力は蓄積時間内で一定ではありませんが、わかりやすくするために受光強度の平均を示しています。
a. 赤血球の流速が速くなった場合 : 赤血球流速が速くなると、CMOS蓄積時間内に実時間の受光強度が素早く変動するので、CMOSの積分電荷が平均化されます(図6)。
図5ではCCDの積分電荷の平均値に対して、各蓄積時間の積分電荷は大きく変動しますが、図6では平均積分電荷に対する変動は小さくなります。
b. 赤血球数(数密度)が増加した場合 : この場合も、多くの赤血球からの散乱光が重ね合わされることによって、CCD蓄積時間内の受光強度の変動が小さくなります(図7)。
これらの現象を利用して、ある一定時間内(1/60 sec、または1/30 sec程度の蓄積時間)の受光強度を測定して、その変動(平均強度に対する変動, σ/<I>)を計算することにより血流量を求めています。
光ファイバー式レーザー(ドップラー)血流測定法では、アナログ受光強度の変動が速いほど、変動の大きさが大きいほど血流量が高いと演算されますが、本スペックル血流測定法ではCMOS (or CCD)の蓄積時間内の変動が小さいほど血流量が高いことになります。光ファイバー式レーザー(ドップラー)血流測定法と本スペックル血流測定法は、基本的には同じであることがBriersによって報告されています。
Briers, J. D. : Laser Doppler and Time-varying Speckle: A Reconciliation, Opt. Soc. Am. A, 13, 345-350 (1996).